【精神科の技術】「出来ていること」に気付いてもらおう

【精神科の技術】

「出来ていること」に気付いてもらおう

 

こんにちは、精神科の訪問看護師をしている信広です。

今日は精神科の関わり方の一つをお話します。

 

精神科の技術って、実は意外と身につかないんですよね。

というのも、一般病棟みたいに技術チェックもないし、確率されたマニュアルもないからなんです。

 

例えば、精神科の看護技術の大きな物に

メンタル・ステータス・イグザミネーションというものがあります。

 

これは精神科ではかなり重要な技術ですが、

病棟でも誰がどの程度習得しているかはわかりません。

わたしも、自分が出の程度身についているのか、よくわかっていないくらいです。

 

まあ、そういうふわふわした状態の分野なので、

特にこういう関わり方をしろっていう指導がなかったりするんです。

 

現に、わたしが精神科病棟にいたときに一切指導はありませんでした。

そのかわり、誰もが相談には乗ってくれましたが。

 

そんなわけで、どんな関わり方をしたらいいか、悩んでいる人も多いと思います。

なので、簡単だけど効果のある技術を一つ紹介したいなと、この記事にしてみました。

 

目次

精神疾患を持つ人に共通する無力感

精神科の患者さんは、基本的にある種の無力感を持っています。

なぜなら

  • 病気によってうまく出来ないという失敗体験
  • 病気になった負い目や被差別(スティグマ)
  • 家族の過保護

などがあって「自分には何も出来ない」という感覚を多かれ少なかれ持っているからです。

 

こういう状態の人は基本的に心を病みます。

つまり、どんどん精神状態は悪くなっちゃうんですねー。

 

なので、「出来いること」に気付いてもらう必要があるんです。

 

「出来ていること」に気付いてもらうとは

無力感と自己効力感の違いってどこにあるのかというと、解釈です。

例えばテストの点数、同じ70点でも

  • 70点もとれた
  • 70点しかとれなかった

と、2通りの解釈をする人がいます。

一般的には後者よりも前者のほうが自己効力感は高く、次のテストで点数を伸ばす可能性は高いです。

なので、本人の解釈を少しずつ変えること、

出来ていることに目を向ける方法を教育することが必要です。

 

「出来ている」に目を向けるためのテクニック

ハードルを下げてフィードバック

 例えば「自分はなんにも出来ないんです、家にいても寝てるだけで」

という人がいます。こいうときには「トイレは行けてますか」と聞いてみます。

大体は行けています。

そしたら「十分できてますよ、よくやってると思います」とちょっと大げさに伝えます。

そして、他にも食事は起きて食べてるとか、それ以外の情報も見つかれば、同じように伝えます。

「大変なのに、本当に頑張ってますね」と。

 

少し大げさが良いんです。

そのくらいが相手の記憶に残るので。

人の自己評価って基本的に記憶に残る頻度だと言えます。

 

つまりたくさん褒められた記憶がある人ほど自己肯定感が強く

たくさん罵られた記憶がある人ほど無力感が強くなります。

 

なので、しっかり印象に残るように伝えましょう。

これで、「出来ていること」に気づけて、

更に肯定的な言葉を掛けられたことで成功体験にもなります。

 

敗北体験を成功体験にリフレーミングする。

例えば「幻聴が酷くて、頓服薬のんでも全然効かなくって一晩中辛かったです」

と話す人がいます。

これは患者さんにとって精神症状に悩まされたという、敗北体験となっています。

ですが、見方を変えれば「辛くても幻聴に左右されずに耐えきった」という成功体験にもなります。

 

そこで、するべき声の掛け方は「そんなつらい状況をどうやって耐え抜いたんですか?」です。

 

この声掛けをすることで敗北体験を成功体験に変えるだけでなく、

耐え抜いた経験から対処行動を拾い出すことも出来ます。

 

もし、患者さんが「ただ布団の中にこもってただけだよ、何もしていない」と言えば

「あえて何もしなかったから良かったのかも知れないですね、」と。

 

そうすることで、患者さんはいつの間にか、

敗北体験から対処行動を見つけた成功体験に変換出来るんです。

 

自己効力感を高めるためには、継続が必要

先ほどのテクニック、すぐに効果が出る人のほうが少ないと思います。

というのも、精神疾患を持つ人は、多くの失敗体験積み上げています。

 

残念なことに病院に入院してからもです。

そして、看護師の関わりに傷ついているケースもまれではないです。

なので、医療不信を持っている患者さんも少なくありません。

 

だからこそ、こればっかりは継続するしかありません。

医療者に心を閉ざした患者さんも、きっと誰かに認めてもらいたいと思っています。

 

そして、優しい気持ちで声を掛けてくれる人にはきっと心を開いてくれます。

 

と、そんなわけで今日はちょっとした関わり方のお話でした。

他にもいろいろ関わり方の技術はあるので、少しずつ記事にしていきたいと思います。

それでは、最後まで読んでくれてありがとうございました。

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